『植物のチカラ』
ほとんどの先進諸国では現在、西洋医学が主流となっています。西洋医学では投薬や手術といった方法で体の悪い部分のみに直接アプローチし、対処療法を行います。メリットは即効性があることですが、西洋薬で根治を目指すことは極めて難しいと言われます。
また、西洋薬は、人工的に化学合成された物質がほとんどですので、使用し続けると次第に効果が出にくくなってしまったり、難治化してしまう事例も数多くあります。
一方、化学合成せず、ハーブをそのまま使用した場合、即効性はないが、根本治癒方向へ導くことができます。このことが見直され始め、自然療法が再燃してきた20年前、私は『BOTANICAL ACADEMY』を立ち上げました。
初めて開催したセミナーでは、『ハーブの再燃』というタイトルで、「このまま抗生物質やワクチンでウイルス・細菌に対応し続けると、スーパーバグ化し、やがて、抗生物質の効かない強いウイルス・菌が誕生してしまう!」という危機感を訴えました。
当時の私自身、セミナーで訴えながらも「私が恐れていることは生きている間には起こらないだろう」と、まだどこか楽観視していた気がします。きっといつか遠い未来で、人間がケミカル(ワクチン・医薬品)に依存しないと生きられなくなり、食べ物や化学物質、化学薬品、汚染された空気等、あらゆるすべてに免疫が異常反応するようになり、分解・吸収・排泄もまともにできないような時代がやってきてしまうかもしれないなと・・
その後も植物療法の知識を蓄えるべく、20年間でインド、タイ、ラオスなどの様々な国々で伝統療法を学び続けました。
インドのケララ州で学んだアーユルヴェーダの考え方で、『大昔に神様は、すべての病気が治るものをこの地球上に置いた』ということを学んだ時、目からウロコが落ちたと同時に、「なるほど、こんなにも自然を壊すことなく自然と共に、自然と朽ち果て土に帰れるものだけで生きていたら、そして、自分の選ぶものが間違っていなければ、病気は治るはずだったんだ」と強く心に刻まれました。
高度成長や文明の進歩により、沢山のものを得ることはできましたが、体が不調でも養生することを疎かにし、便利なものに頼ってしまった代償は大きかったのかもしれません。
そして2020年、、、私の想像よりも少し早く、新型コロナウイルスの蔓延が起こり、ついにその時代が幕が開けてしまったのかもしれません。
生きてる間には起こらないだろうと思っていた、恐れていたことが、次々と現実になっていきます。
気付いていたのに・・・分かっていたのに・・・という悔しい思いはありますが、
それでも私たちが自然の力に気付き、自然と共生し、ライフスタイルを見つめ直す時間は残されています。
「植物のチカラをいただく活動」を、私自身が率先し、健康に生き、これからも皆様に様々な植物療法を提供し続けます。
2022年10月 サイトー文恵